名を呼べばふりむく躯呼ばるるとふことそのものの歓びに満ち
答えなど要らぬ問ひなど問ひかけて答へむとする君を見ており
見るままに来て■る冬ぞ カブールの井戸辺に凝る暁の水
記憶の底にまぎれゆくべきこの冬を大袈裟に抱き合ひて別れき
人生の半ばのと或る朝のアフガンの青空高く消えてゆく雲
報道カメラマンの詠む現場!!
「友達ニ出会フノハ良イ事」はアフガニスタン攻撃の取材でアフガニスタンに行ったおりの作品である。自分で撮ったカラー写真と組み合わせた独自の校正で、歌集としては未開拓の分野に踏み込んだものである。
佐佐木幸綱•跋より
四六版並製 3000円•税別