=ながらみ書房出版賞最終候補作=
偶然、キリスト教会の庭先の掲示板に収められていた一編の詩に目が向いた。
その短い詩に呼び止められた。単純にして原初的で心に深くしみてくる詩。
八木重吉という希有なる詩魂と真摯に向き合い、主観的なはからいを越えたさざ波の音に耳を澄ませ、その清澄な世界を探求し続けた迫真の論考。
目次
〈わたし〉の変容
二人称の自然
祈りの生まれる場所
かなしみの受容力
自我という執着
パンテオスの詩
ノスタルジアのゆくえ
最後のカルタシス
聴覚のめざめるとき
没描写の功罪
四行詩とは何か
かなしみ•この透過してゆくもの
四六判並製カバー装幀 2000円•税込