10日 11月 2016 寒野紗也歌集『雲に臥す』 岩の上に姿を晒し飛び跳ねる若鮎のまま水に戻らず 野をめぐり雲に起き臥す「花月」舞う姑在りし日の夏能舞台 神棚の水替え供花の茎を切る務めねば消ゆきのうのすべて ひとりずつ春の野原に発たせては降り出す雨に顔をむけたり 筆描きの古代絵地図の遥ばろと海と陸とは移ろいにけり かがり火が揺れる。 光に照らし出される白足袋の白。 なつかしい人々への思いを抱きながら、 幽冥界の境へと歩み出て たおやかに歌を舞う! 現代女性歌人叢書 2500円・税別 tagPlaceholderカテゴリ: 新刊歌集歌書, 日記, か, 2016, 現代女性歌人叢書