09日 5月 2017 加藤和子歌集『朝のメール』 黄に圧され黄に放たれて歩みたりひと日曇れる黄葉渓谷 石の家に降りゆく雪の淋しさを思えり朝のメールを閉ざす イギリスの老女のようにカーテンの間からまた庭を見ている 昔むかし蝉の鳴かない年があり並木は暗渠に変わっていった 怒ったり淋しがったり日常の続きの中に人は亡きかも 先師・高安国世の歌ごころを受け止め、身めぐりの風物や人物をつつましく歌い継ぐ。平明なしらべにたしかな言葉の年輪を重ね、いよいよ作歌世界は地味と深まりを見せ始める。 四六版上製カバー装 2400円・税別 tagPlaceholderカテゴリ: 新刊歌集歌書, 日記, か, 2017