鈴木りえ歌集『夕映えの湖』

 

著者の作品は、対象への暖かく優しい視線を特徴とする。歌い方、題材の捉え方がつねに肯定的である。もしそれが無意識の結果だとすれば、作者の人間性の根本に世界に対するそのような愛と肯定感があるという証であり、短歌を作る上での意識的な態度だとすれば、そこに作者の歌に対する認識と作歌哲学があるだろう。 

谷岡亜紀・解説より