原佳子歌集『空ふたたび』

定価 2400円(税別)

頁数 168頁

判型 四六判上製カバー装

ISBN 978-4-86629-149-9

 

閉ざさずに言葉にのせるそれだけでわたしの空は晴れてゆくなり

 

心を閉ざすことなく言葉にしてしまうという意味でしょう。「わたしの空」というのも比喩的に使われています。あっさりと言っていますが、歌われていることはなかなか深いと思います。     帯文 岡井隆

 

 

ビル街のゼブラゾーンを渡るとき見上ぐる空は碧き十字架

 

五回に一つ止まる呼吸を呼び戻さむ子の枕辺に名を呼びつづく

 

「細胞のひとつひとつが聞いてるよ目を閉じてても声でなくても」

 

吾子が渡りきること叶わざりし道きょうもわたしは歩むほかなし

 

大き空にビードロほっぺん響かせる生まれておいでもういちど君