山下敬子歌集『星の天蓋』

判型:四六判上製カバー装

頁数:184頁

定価:2500円(税別)

ISBN978-4-86629-156-7

 

 

第二歌集!

 

わたくしが生まれてわたくしが母となる星の天蓋若草の原

 

青森の地霊が騒ぐ。歴史の時間が堰を切って流れる。

ひそやかな相聞のひびきに雪が舞い、樹木が揺らぐ。

こころを生きる、そう、歌に寄り添いながら星々の樹海へと。

 

 

 

 

クレヨンの左右に揺れて広がれる海のあをいろ子のいのち透く

 

ペンの先より水色のことばあふるるを嘘は美しくあらねばならぬ

 

辛抱づよき愛の花とふ先生の文月二十三日わがあぢさゐの忌

 

雪国の女はくらき恋をする雪女の裔のあかき唇もて

 

いのち繋ぐをとこを繋ぐ黒髪の挿頭の花となれや夕焼け