中平武子歌集『しらべは空に』

版型:四六判上製カバー装

頁数:234頁

定価:2,500円(税別)

ISBN 978-4-86629-180-2

 

第二歌集!

 

中平さんの浪漫的な想像力は、

橅の木に向かえば橅の内なる音とつながり、

日に輝く菜の花の中ではひとひらの菜の花となるというように、

身体変幻のしらべを強く響かせる。

ーーーーーーーーーーーーーーー日高堯子跋より

 

 

ぶなの木のうちなる音を聞かんとし橅は吾とひとつになりぬ

 

菜の花のひとひら一片日を受けて輝く朝はわれも菜の花

 

皆おなじ答を言ふと詰る声 死にたき人は深夜の電話に

 

人との距離保つに雀に似てゐるや ためらひがちに友の手をとる

 

ここに座しともに桜を仰ぎたる時もどしをり夕暮の園