定価:2,500円(税別)
判型:四六判上製カバー装
頁数:196ページ
ISBN 978-4-86629-222-9
第30回ながらみ書房出版賞受賞!!
第四歌集。
風景が流れていく。
流れていく日常が堰き止める言葉。
いつしか分け入っていくことだろう。
記憶の向こう側からやって来る森へ。
形象の森へ、ひそかに。
満開のまだ一片も散らぬ花 生きている人は去って行く人
気の抜けた青いソーダの薄闇に時間失くして眠っていたか
ただ一度咳き込み死にし父ゆへにわれに介護の日々は来たらず
みごもらぬまま落ちている赤い蘂ぬれたアスファルトにむすうに
毎日の誰のためでも無い時間出勤する前花に水遣る