関秀子歌集『落葉樹林』

冬の土素手にて掘れば思わざる程の羞しきぬくもりのあり

すれ違う前登志夫の車危うしと見送りしわれぞ急坂の道

 

落葉の山々。さびしくはない。空虚でもない。

その光景は豊穣にして豪奢な作者のこころの原風景なのだから。

雪•月•はなという三章立てで成る一巻。

ぐんぐんと美の異界へと分け入っていく意欲的な作家世界!

 

46版上製カバー装 2,625円•税込