島晃子歌集『月光丘』

悲しみが新たになりて暗みゆく海の白波夜叉のごと立つ

飲みさしの夫の焼酎「百年の孤独」胃に沁む夜半の厨に

射して来る春陽に光る蒐集品いづれもはかな割れ易きもの

君は数十億年の愛を語り吾は白馬の王子失う

 

「六条御息所」は言うまでもなく『源氏物語』の一節である。

『源氏物語』の優れた文学性が読む者を引き込み、

歌わせる力となっていると思うが、背景に長年の研究があるから作品が強い。  鶴岡美代子•跋より

 

 

A5版上製カバー装 2730円•税込