28日 8月 2011 金丸玉貴歌集『夜叉神峠』 独りたつ夜叉神峠は深閑と雲海のかなたに浮く富士の嶺 とめどなくふぶき散りいる桜花ひとひらひとひら億の孤独よ 幻聴か今も鳴りいるかざぐるまわれの脳裏に風の父あり いとまなきこの世の憂さを笑うがに真昼の月が中天にある 日常に於けるさまざまな哀歓や自然を詠っても 執拗なまでに自己を凝視しており、作品はそこはかとなく 寂しげな影を湛えながらも読者に迫ってくる。 林田恒浩•跋文より 四六版上製カバー装 2625円•税込 tagPlaceholderカテゴリ: 新刊歌集歌書, 2011, か