森内道夫歌集『馬を与へよ』

山脈のあなた夏雲湧くあなた少年の吾に馬を与えよ

浜風に二匹の蝶の天降りてきて日傘の妻を越えて消えたり

馬の来し跡あまたなる水の辺に夕迫り来る阿蘇の山風

 

森内さんの歌は、いつ、どこで、誰が、といった「5W1H」が省略されている。

そのために読み手は想像するしかない。

浅読みや深読みが可能な文体であり、それゆえに面白いとも言える。恒成美代子跋より

 

 

四六版並製カバー装 2000円•税込