心の火かきたてかきたて生ききたりいまたまゆらのやすらぎのなか
満たされてあるものやよし春の宵ひとはやさしく言葉を紡ぐ
若き日を識るは楽しきさりながら若き日のみを知るは切なし
冬の樹々黙すのみなりにんげんはやさしきことばかたみにもてり
気まぐれな少し破調な人生も悪くはないさ虫の夜となる
作歌半世紀の軌跡は決しておだやかなものではなかった。
いま、ひととき、人生の安らぎの時間と場を得た。
しかし、歌は眠らない。
さらに深まり、いよいよ命の実相への問いかけが始まる。
四六判上製カバー装 2625円•税込