07日 9月 2012 今関久義歌集『四天木の浜』 片寄りに松の秀なびく雲低し風にあらがふからすが一羽 許されてわれはあるらし妻病むといへども共にけふ望の月 明かすべき人ひとりなし幽囚の思ひに耐へて配膳を待つ 海鳴りの太古の響き入れ替はる大き玻璃の重きを引けば ちちのみの膝をたらちねの乳を知らず老残一期きはまらんとす 自然をそのまま言葉にしているのであるが、えいえいと読みつづけてきたその世界には、いつのときも、反骨精神が息づいているのではないか。 大河原惇行 序より 四六判上製カバー装 2625円•税込 tagPlaceholderカテゴリ: 新刊歌集歌書, 日記, い, 2012