藤森あゆ美歌集『言葉咲かせて花になる』

心がぼやけてなにも見えない私のどこかはんぶん出血

やっと確認できた小さな心拍 子宮はそれを愛おしむ

抱っこする私と同じ体温になりながら寝つく幼いからだ

子にひっぱられてしゃがんでみるとその高さにだけ暖かな日ざし

真っ赤なポストに一通投函 私は変わるきっと変わる

 

思いが第一にあって、徐々にリズムを整えていきおおよそ三十字前後の形にしていく

口語自由律短歌はたしかな詩形であり、藤森あゆ美はその中で自在に泳いでいく女性である。  光本恵子•解説より

 

 

四六版並製 1800円•税抜