11日 4月 2014 小暮靖代歌集『風になる』 廃れゆく旧道沿いの和菓子屋に今年の春を購いて来つ 黄の色の極まりて咲く菜畑に吐息のように蝶湧きあがる 昨夜も居し蜘蛛が今宵も新聞に小さく居すわる句点となりて 一日の終りの儀式「オレの足」を探して二本あるを確かむ もう一度土を踏みたい「オレの足」ベッドの傍に靴揃え置く 歩きたかった帰りたかった「オレの足」履き慣れし靴を棺に納む これらの作品には、詠法とか、技術を問う以前の人間の心の叫びがある。 高橋良子 跋より 四六版並製カバー装 2000円•税別 tagPlaceholderカテゴリ: 新刊歌集歌書, 日記, こ, 2014