澄みとほる朝の空気の清ければ空の高みに悲しみのわく
道端の凹凸乏しき石仏の顔をほのかに冬日のてらす
同じ木の同じほつ枝に今日もまた朝日をあびて四十雀鳴く
暁の草生のなかにからすうりいまだ萎れず白く咲きをり
現在、私自身が作っている短歌もいってみればエンディングノートなのかもしれないと思いました。短歌を作るということは、自分の分身を生み出すことに他ならないからです。また短歌は自分自身を写す鏡でもあります。従ってこまかい技術的なことはさておき自分を人間的に高めてゆく必要があります。ーあとがきより
四六版上製カバー装 2500円•税別