中学にこの春送りし児童(こ)等の分届けばしきりに会いたくなりぬ
山深き英彦の坊の跡にして居ながらに聞くうぐいすの声
梅園の野点ての席に風花を一片受くる熱き茶碗に
歳晩に金婚の鐘を相撞けり吾が町香春の平安いのり
栴檀の花散りやまず池の面を覆いつくして風にたゆとう
栴檀の大樹の下を通って毎日散歩する、春には美しい花をつけて母校の周りにある樹、著者にとってこの栴檀の樹は暮しの中の大切な点景です。
中原憲子・序より
四六版上製カバー装 2500円・税別