『保坂耕人全歌集』

行く道の真向うにして甲斐駒の孤絶の白をわがものとする 

  『風塵抄』

誰が何と言はうと俺の一日は俺のものにて甲斐駒縹色   

『われの甲斐駒』

放念のかなたに浮かぶ雲ひとつ 甲斐に生まれて甲斐に死ぬべき 

岫』

 

甲斐に生れ育ち、昭和七年より「心の花」に入会し、佐佐木信綱・治綱・由幾に師事。九十五年の生涯の大半を短歌に賭けた保坂耕人。自然への洞察、厳しい自己への批評精神に徹した。


A5版上製カバー装 5000円・税別