氷雨降りいよよ冷え込む列島の四国最中のここに暮らすも
あかままの花の咲く道 遠き日のをさなきわたしが蹲る道
かうかうと今宵満月 母となる阿修羅の叫び 生まれむとする
名月に惚れてしまひしこほろぎか髭を担ぎてひと夜なきける
けぶり立つ山ふところに夢のごとさくら咲かせて山あひの村
平凡な日常を輝かせる歌がある。いのちの喜びを素直に祝福する歌がある。透徹した観察眼と、やわらかな批評力を裡にこもらせて。
あるがままの生を、四国の山懐に響かせる温かな歌のしらべ!
四六版上製カバー装 2500円・税別