16日 7月 2016 田土才惠歌集『風のことづて』 なにがなし時計いくつもならべいていずこにあらんわれのみの時 湯たんぽに湯の音とぷとぷ階上る今日の終わりの足音立てて もの書けばたちまちペンを貸せといい意志見せはじむ一歳の春 ケアハウスの窓ひそやかに開けられて春愁ひとつ今とき放つ 風となり水とはなりてめぐりつついのちのほむら若葉縫いゆく 人から人へ、親から子へ、孫へ 風がささやきかけるように 伝えたい思いがある、伝えたい歌がある。 そっと耳をすませば 言葉はいのちあふれる湧井のようだ。 tagPlaceholderカテゴリ: 日記, た, 2016, 現代女性歌人叢書