御供平佶全四歌集

収録歌集

『河岸段丘』『車站』『冬の稲妻』『神流川』

戦後四十年を日本に存在して昭和とともに消え去った「鉄道公安」を、私が経験した後半の二十年を区切の既刊歌集四冊の作品全体を見直して、ひとまとめにしたものがこの一冊である。

 

『車站』

 ぴりぴりとわが青ざむる顔をすぎ彼の視線は鞄に坐る  
 バッグ割る指の見えし瞬間の充実の感替ふる何がある

 超越を心に重く年の過ぐ美学のくだり超えよわがうた

 

3000円・税別