寡黙にいのちと触れ合いながら、
草木も人間も、私すらも透けて見える日。
かぎりなく深みを増す青の世界へ
自在に、そして、かすかに紛れてゆくのみ。
『青にとけゆく』より5首
かな
青銀の波がしづかによせてくる遥かなる日の愛しみつれて
を ふ
わが男の子と白猫ベッドに眠りゐる天よりふいに降りし如くに
はな
瀧のごと散る桜を見き下影に立ちて泣きたる日もありしかな
かぎりなく軽くなりゆくいのちかと瓔珞のごとスカーフまとふ
味爽の空にのこりし二日月はかなきものは青にとけゆく
判型:四六判上製カバー装
頁数:158頁
定価:2400円(税別)
ISBN 978-4-86629-090-4