判型:四六判上製カバー装
頁数:186頁
定価:2500円(税別)
ISBN978-4-86629-117-8
あした咲く花に哀しみあるようで
そっと撫でやる山茶花のつぼみ
山茶花は春咲くいろいろな花たちのような華やかな賑わいはなく何となくひっそりと咲く。郡上は北辺で山茶花は霜で早く汚れて完全に初めから終わりまできれいでいることはあまりないが、そんな花でも明日は咲こうと蕾をつける。
木島 泉 帯文より
『あした咲く花』より5首
鍬置きて母と作りし笹舟は港なき川流れてゆけり
は
畦道にひときわ高く咲く薊ときに孤独は美しき棘もつ
押し黙る井戸を覗けばこの世でもあの世でもなき風の囁き
ノートからはみ出しそうな花マルを描くときクククと赤ペン笑う
ゆわゆわとゆめに遊ぶかねんねこにみどりご眠る初雪の夜