「短歌往来」2019年9月号

9月号 750円(税込)

 

【特集】現代うた枕

短歌が持つ土地に捧げるという役割、限られた地名を詠むという制限の奥にあった平等性など、短歌の大事な部分であらうと思いこの特集を組みました。

 

特集評論は森朝男氏と松村正直氏。そもそもうた枕とは何か、どう発生し古典の中でどう変遷をしたかを森氏に記してもらい、各地を旅されている松村氏には近現代のうた枕の特徴や詠まれ方を記していただいた。寄物陳思の一つであったとは。虚と実の部分など両氏からわかりやすく提示していただいた。

(編集後記より)

 

<目次>

■巻頭作品21首

雨がからむ/黒瀬珂瀾

 

■特別作品33首

のどぼとけ/松川洋子

ヘルンの石狐/長澤ちづ

 

■1ページエッセイ

・遠い人、近い人ー八巻先生のスーツ姿/島田修三

・ニューウェーブ歌人メモワールー銀座のソニービルにて/加藤治郎

・うたの小窓からー短歌と修辞の本来の関係/田中教子

 

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【特集】現代うた枕

■評論

和歌と歌枕/森朝男

現代に生きる歌枕/松村正直

 

■作品6首エッセイ

支笏湖/今川美幸

岩木山/中村キネ

跑を踏む/清水亞彦

交叉する場所/熊谷龍子

歌人の足跡・点描/菅原恵子

小平集落跡/小関祐子

鶴ケ城/米山髙仁

エキスポセンター/浦河奈々

日光東照宮/寺島博子

繭と黒煙/清水篤

荒川/金子正男

青稲穂/田村広志

隅田川/磯田ひさ子

塔と半島/川田茂

萬代橋/田宮朋子

記憶に雨の/平岡和代

白山/橋本忠

恐竜博物館/紺野万里

ジラゴンノ/反田たか子

小諸城址懐古園/永井秀幸

古今伝授の里/清水春美

浜松駅のピアノ/清水正人

恋路ヶ浜/岡本育与

高石垣/城俊行

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■新・自然を詠む・撮る・描く

永遠/森水晶

 

■作品7首

骨/春日真木子

虎落笛/波汐國芳

リテラシー/楠田立身

六本木けやき坂夕景/結城文

芍薬/安藤直彦

無花果/久々湊盈子

淋しくはないか/高山邦男

心象風景/冬道麻子

尊き犠牲/藤田和平

 

■連載ー結社の顔

徳島短歌/日向海砂

 

■連載ー<歌・小説・日本語>

実朝断想/勝又浩

 

■連載ー世界を読み、歌を詠む

昨日の世界/坂井修一

 

■連載ー再訪八木重吉

初めに短歌があった/三枝浩樹

 

■連載ー玉城徹を読む

一寸の思想 一寸の灰/持田綱一郎

 

■連載ー時言・茫漠山日誌より

桶本欣吾死す/福島泰樹

 

■連載ー<名画と名歌>

映画の中の戦争/丹波真人

 

■作品13首

饒舌/山中律雄

新子/矢澤靖江

沖縄/渡辺幸一

やがてどこかで/佐藤よしみ

藍染め銀河/櫟原聰

吉野山/園部みつ江

「黒猫」「ア、秋」/林あまり

大東京/上條雅通

また来ます/梅原ひろみ

梅雨冷えの/京紀子

近所の雀鷹/渡辺泰徳

序曲第3番「夏」変ニ長調/大津仁昭

後楽園/大崎安代

 

■今月の新人ー作品5首

五十二年プラン/小坂井大輔

 

■今月の視点

天狗や神婆に会えなくて/熊岡悠子

 

■新刊歌集歌書評

佐佐木幸綱著『心の花の歌人たち』/島内景ニ

三枝昻之歌集『遅速あり』/佐藤通雅

大野とくよ歌集『あしたに向きて』/白倉一民

川野里子歌集『歓待』/香川ヒサ

温井松代評論集『大岡博の人と愛』/柴田典昭

松村由利子歌集『光のアラベスク』/前田康子

金子貞雄歌集『而今の森』/三井修

中西由起子歌集『夏燕』/渡英子

山野吾郎歌集『百四本の蝋燭』/伊勢方信

久保富紀子歌集『旅行鞄』/松村由利子

 

■作品月評ー七月号より/糸川雅子

■評論月評/江田浩司

■全国‘往来‘情報

■表紙画/高山ケンタ、本文カット/浅川洋