定価:2500円(税抜)
判型:四六判上製カバー装
頁数:222頁
ISBN978-4-86659-153-6
歌がその本来のいのちを輝かせるのは、
さりげない日常の表層に浮かびあがってくる詩的光芒。
そのかすかな息遣いをこころに掬い取った時、
深い憂いを帯びながら、
風景の内側へと分け入っていく。
しなやかに猫またがせて塀の上のペットボトルは夕かげのなか
稜線のやさしくなりて裏八ヶ岳はふところに昼の雲を抱くなり
もうわれを呼びすてにする人なくて日本海側師走大雪
花を抱き降りたちしところを空広く田を焼くけむり流れていたり