定価:2200円(税抜)
判型:四六判並製カバー装
頁数:162頁
ISBN978-4-86629157-4
父が逝き、母が逝き、たいせつな友人たちを失った歳月。
そして、最愛の夫の昇天。子どものいない衛藤弘代さんにとって過酷な日々の連続であった。うたうことによってかろうじて自らを支えていた魂の記録の第三歌集。―恒成美代子 帯文
浅野川女なる川その川辺歩み行きしか泉鏡花は
夏の力残す西日に射抜かれて茶房セピアの窓辺の時間
野沢菜の花咲く畑を漕ぐように歩きてゆきけり夫よ夫よ
木曽奈良井鳥居峠の栃の実を並ぶる窓辺に秋の日は澄む
思い出づるみな青春につながるをなかんずく金沢の雪の片町