判型:四六判上製カバー装
頁数:170頁
定価:2,500円(税別)
ISBN978-4-86629-168-0
ものを見るとは自らのこころを見ること。
そんなつぶやきが風景の向こうから聴こえる。
悠々として自在。日常が詩となる瞬間に、
歌人はいくつものまぼろしに遭遇し言葉を吐き続ける。
第一歌集。
かなしきは夢に来る母 痛む膝おして夜道を帰りゆきたり
蜘蛛の巣にかかれる蟬のもがきつつ飛び去りしときチィと鳴きたり
つぶやきのごとくさざなみ光りをり夜の漁港に人影もなく
言ふなればちりめんじやこの一匹の気概といつたものかも知れぬ
午睡より醒めて抹茶を啜りをり曇れる空に虹見るごとし