版型:四六判上製カバー装
頁数:170頁
定価:2,400円(税抜)
ISBN978-4-86629-185-7
第一歌集!
藤井さんはじつに健やかな観察眼の持ち主である。
繊細で柔らかな感受性に目を見張る。
言い過ぎになることなく一首全体をきりりと
まとめ上げることは、とても難しい。
それをごく自然体でこなす力量に感服した。
栗木京子「序文」より
「回天」の歴史を聞きし少年は海に向かひて仁王立ちせり
おほ
たんぽぽの絮毛崩れて漂へり大ミキサー車過ぎゆきし時
雛すぎて雛仕舞はれし床の間の桃の花びら夜を散りぬるを
かかる日のいつか終らむ二人なれ豌豆の苗に支柱たてをり
おもかげを偲べば或る日師に代り千手観音佇ちたまふなり