小山田ふみ子歌集『赤いルノー』

判型:四六判上製カバー装

頁数:226頁

定価:2,500円(税別)

ISBN978-4-86629-182-6

 

歌を初めて読んだ時、印象深く思ったのは、そのひたむきな勁い魂であった。詩句に結晶された、小山田さんが懸命に生きた証を前にして改めて感動している。永久に忘れ得ない女流歌人であろう。

                 大熊敏夫「跋」より

 

 

 

 

「赤いルノー」と綽名つけられパンプスで官庁街を駆けし日のあり

 

連翹の黄の花地より吹きあげて何の歓喜ぞ閉塞の世に

 

世界中の花を投げ込めファルージャに無辜数千の屍の上に

 

出かけゆく夫を窓辺に送るとき手を振るならい かかる別れも

          みゆきざか

遠き遠き記憶のかけら行幸坂 さくら吹雪に母がたたずむ