古屋正作歌集『縁』

判型:A5版上製カバー装

頁数:290頁

定価:2,800円(税込)

ISBN978-4-86629-203-8

第四歌集!

 

甲斐に生まれ、風土のなかに出会い、また別れがある。

草木に降れ、山や野や川みるものすべてが時にまばゆく、時に哀しく。

あるはかりがたい、おおいなる力によって結ばれるえにし。

いつか土にかえるその日、その時まで、暮しのかたわらには歌が縁りそう。

 

 

 

 

脂を噴く幹を攀ぢれる蟻の列日暮れてなほも高きを目指す

 

人と犬互に老いて政変の何及ぶなき谷あひの村

 

変はるなきことの床しさ米を磨ぐ米の白さが故郷にある

 

澄みとほる女官の声に応へ立つ吾が誌「樹海」の一語尊く

 

甦る現し身ならね背を伸ばし日に染みて降る花びらを浴ぶ