定価:2,640円(税込)
判型:四六判並製カバー装
頁数:164頁
ISBN978-4-86629-26-1
第一歌集!
はじまりは糸のやうなる葱の芽の
あをあをと立つ新春の庭
「蝶」や「蟻」、且つは「もぐら」のような小動物までもが登場し、そこからまた、自分の家の庭の風景や、野に咲く花々へ目のゆく、その目線の柔らかさが実に魅力的なのである。
---浜田康敬 「跋文」より
『草かもしれず花かも知れず』より五首
電話機の着信記録非通知を示せば想像膨らませをり
青色の紙に直線引くやうな電線伸びをり夏空の中
三ミリのありが五ミリの虫を曳きじぐざぐ歩きて視界
息継ぎのごとく地面を盛り上げてわが家の庭に棲むもぐらもち
見慣れたる川も田んぼも旅人の心で見れば美しきわが町