定価:2,640円(税込)
判型:四六判上製カバー装
頁数:164頁
ISBN978-4-86629-287-8
第一歌集
小題をつけられた作品の集まりごとに、明確な題材、テーマが打ち出されている。
連作を単位としたテーマ性という考え方を強く打ち出したのが、昭和三十年代に始まるいわゆる「現代短歌運動」だが、この歌集もその意味で、まぎれもなく「現代短歌」の一巻である。
谷岡亜紀「解説」より
『七曜星』は、北斗七星の別名です。
北極星を探す指針となり、目的の地を目指す旅人を、無明より導く星です。輝く七つの星に安寧なる未来を、と願いを込めて歌集を『七曜星』と決めました。
著者 「あとがき」 より
『七曜星』より5首
歯科医院の壁にビュッフェの版画あり海空暗く人影の無く
巨大なる風車回りて海岸の四度目の夏ゆっくりと過ぐ
この世には悲しみの歌数多(あまた)有りて大地の民は泣きながら歌う
おぼろげな記憶の中を歩み行く托鉢の僧大寒の辻
生き生きて行き着く先に花野あり夢の終わりの百合の群生