定価:2,350円(税込)
判型:四六判上製カバー装
頁数:146頁
ISBN978-4-86629-297-7
脳神経外科医師の第三歌集。
しゃれこうべ―――。
どこか異様で、
もの悲しく、
どこか陽気で、
笑っているように
見える。
定型という器も
言葉を剥がして
しまえば同じこと。
さて、歌の行く先は
この世か、あの世か、
それとも?
『しゃれこうべの歌』より五首
どくろの眼 深い奥には穴のあり花も見ていた星もみていた
地球史の四六億年今日も暮れ昨日みた月またのぼりきし
わが棺をつつむ火群の静かなり焼けゆく身柄を我が見つめる
我が意思のおよばぬ言葉「さような」一人つぶやくむなしきままに
春立つ日望月やわく野に照りて木の芽花の芽こころ急かせる