定価:2,200円(税込)
判型:四六判上製カバー装
頁数:148頁
ISBN978-4-86629-311-0
第二歌集。
素材に対する独特の把握力、あたたかみを伴う笑いの要素、作中に生きる五感等々に裏打ちされた諸作は、一段と円熟味を増しており、どの作品においても橋田昌晴が紛れもなく息づいている。
本書において「虹」は大いなる意味を有する存在である。
ウクライナの橋上に、コロナ禍の空に、作者の心に、虹は鮮やかに架かっている。
―――――野地安伯「解説」より
『虹立つ』より五首
遺言書を書き終えたりと告げたれば生きて欲しいと妻は涙す
パソコンのキーボード叩くまでもなく患者の病名が顔に出ており
メラノーマの手術終わりぬ南天に赤く明るく火星煌めく
向日葵の種子は多くの実を結び「復活」の日は遠からず来ん
長引けるコロナ禍の中雨あとの虹を見つけて告げに来る妻