定価:2,400円
判型:四六判並製カバー装
頁数:186頁
ISBN9784866293073
第二歌集。
何もない、役にも立たない。
空漠として、ただ寂寥とともに在る。
そんなものに心を震わせ、色を透過させる。
感動の変換、それが歌だ。比類なき魂の戦慄だ。
-∴-∵-∴-∵-∴-∵-∴-∵-∴-∵--∴-∵-∴-∵-∴-∵-∴-∵-∴-∵-
『くうそくぜしき』より五首
夕焼けの赤を怖がり泣いた日があった母さんの手を握りしめ
凍る日の雪のさらさら君のこと好きと何度も行ったさらさら
雨降れば空とつながる心地して約束のない日は濡れてゆく
ひざ抱けば裡から音の響く夜わたしはひとつの心臓である
はじまりは針孔に糸通すこと光に向かってゆく糸の先
-∴-∵-∴-∵-∴-∵-∴-∵-∴-∵--∴-∵-∴-∵-∴-∵-∴-∵-∴-∵-