定価:2,200円(税込)
判型:四六判並製カバー装
頁数:228頁
ISBN978-4-86629-318-9
前著『古歌に尋ねよ』を継承した、珠玉のエッセー。
日本社会と日本人の生は、今、並々でない転換期を迎えている。こういう時にこそ、大きく遠い歴史をふり返ることが必要だ。短く読みやすい古典<和歌>を窓として、我々の<今>を抱えつつ、歴史的世界の人間たちに問を発してみよう。
▶▶主な項目
第一章 炉心溶融紀の十年
炉心露出の後に
もっと大地の方へ など
第二章 王朝 日本文芸の故郷
歌語という技芸
和歌の情感の成立 など
第三章 今 熱く学べ 日本中世
良経秋色
鴫立つ沢 など
第四章 色好みのモラリティ
色好みと鼻
恋と禁忌 など
第五章 和歌の造型と生態
和歌と古代国家
風景の成立 など
第六章 訪ね歩き 古歌の里々
香薬師よ、いずこ
桜田へたづ鳴き渡る など
「炉心溶融期の十年」は、高度技術時代に生きる我々の危うさと伝統的心性との関係を考える。
「王朝 日本文芸の故郷」「今 熱く学べ 日本中世」では、我々の
感性の源流と、その大変革期である中世の様相を、転換期の今日的課題に引き付けて思索する。また「色好みのモラリティ」では、今日なお変わらぬ、日本人の情緒的・美的なモラル感覚の源を究明する。・・・
▶▶著者について
1940年生まれ。早稲田大学文学部および大学院文学研究科を卒業・終了。専攻は和歌文学・日本古代文学。博士(文学)。フェリス女学院大学名誉教授。