定価:2,640円(税込)
判型:四六判並製カバー装
頁数:186頁
ISBN978-4-86629-315-8
第二歌集!
この世とあの世との境目に、
あるいは現実と幻想の交差点に、
猫がうろついている。ぼくも同じだ。
異界のまどろみに腕を入れて、言葉たちをもぎ取る。
ぼくの世界はどこにあるのか。酩酊し、さ迷い続ける旅人。
<引用5首>
わが歩み過ぎりゆくとき猫の耳ほっそりと立つ眠りながらに
上を向き夜空を照らしめぐる灯はこの世の側ゆえだれも応えず
おんなというほのかな業(わざ)も世にありて ほそやかな肩を夏陽に曝す
存在のゆらぎのように陽をあびるマンホール縁の小砂の若草
かぎりなく偶然の景であるさびしさよ木々の罅入るよごれた空は