蒲ヶ原朱実歌集『未知なるもの』

定価:2,530円(税込)

判型:四六判上製カバー装

頁数:160頁

ISBN978-4-86629-302-2

 

第一歌集。

 

いまだ見ぬものたち。

いまだに逢えぬものたち。

手探りで、素志のままに、おだやかに。

日常の向こう岸に何かが動く、何者かがささやく。

平成の三十年間を詠み継いできたかけがえのない歌物語。

 

 

<引用五首>

 

産み終へて抜け殻のわれ耳鳴りも秋の夜ふけの闇にゆだねて

 

道端の穴の底ひに幼子は見えざるものを見るにあらぬか

 

未知のもの想ふは楽し例ふれば生まれくる子の性の別など

 

惑星の如く湯舟に浮かぶ柚子自転しながら吾に近づく

 

息ひそめセージの葉陰に動かざる夏の蜥蜴の孤独思ひつ