佐藤博之歌集『殘照の港』

 

定価:1,870円(税込)

判型:四六判並製カバー装

頁数:130頁

ISBN978-4-86629-312-7

 

第一歌集!

 

観ずにはいられない、

聴かずにはいられない、

触れずにはいられない。

 

どこまでも対象に肉薄していく言葉たち。

著者の世界に対する解像度の高さによって、世界が現実以上の迫力を持って目の前に立ち上がってくる。

過ぎゆく一瞬、今という時を生き、歌うとはこういうことなのだ。

<帯文 佐佐木定綱>

 

 

 

◉引用五首

 

殘照の靜けさ。木ずれ、波の音。三笠が闇を吸ひて膨らむ

 

千年經る藥師如來の掌の生命線の斯くも短し

 

父に教はりしセミウヰンザーノツトにて謝辭を述べつるぬばたまの通夜

 

百億の稻の寢汗のにほひ立つ眞夏の横て盆地の夜明け

 

ベランダに干したるシヤツの影が伸び妻の背中をひらりくすぐる