楠田立身歌集『益城』

定価:2,750円(税込)

判型:四六判上製カバー装

頁数:192ページ

ISBN978-4-86629-347-9

 

第六歌集!

 

病のごとく思郷のこころが湧く日。

ふるさと益城。熊本地震に崩れようとも、

たしかに私の故郷だ。

病を得て苦患の中にあろうとも、

不屈のたましいを醸成し続ける。

師・斎藤史への敬虔な祈りと志、継承は今も、なお。

 

<引用五首>

五大明王のいづれの神の憤怒ならむ余震地域の広がりゆくは

 

われの名をわれより美しく書く人に筆を選びて書く返し文

 

この星にわれの名をもて登記せる竹林ありて蛇が谷と称ぶ

 

三好達治に夢で遇ひなば質すべしあぢさゐ色のかの日のこころ

 

斎藤史の重さ軽さの無きさくら残り時間少なきわが辺にも降る