松森邦昭歌集『明石の門』

第四歌集!

 

明石の門より大和島見ゆーーー

 

老いてなお望郷のこころは尽きない。

これの世に生き、やがて朽ちていくまでの時間。

命とふかく向き合う。それが歌を詠み続ける賜物。

 

<引用五首>

散る花のはなのこころのやわらかく春の大空はなの吹雪に

 

風しだい明日は藻屑か海の底 今宵よき月歌がうまれる

 

石鎚の天狗の岩を覗きこみ湧きくる霧に溶けて生まれる

 

藪つばき冬日あかるき海蔵寺祈りの鉦に日だまりゆれる

 

人麻呂も通いて詠みけり明石の門「大和島」かすむ釣り橋越して