大野道夫歌集『冬襤褸』

定価:2,200円(税込)

判型:四六判上製カバー装

頁数:176頁

ISBN978-4-86629-359-2

 

第六歌集。

 

時として少年のような純粋な眼差しを。

あるいは世の中の理不尽に牙を剥く獰猛さを。

歌という時空に自らの時空を重ね合わせ、

心顫せながら復活の日をここに証しする!

 

 

 

<引用5首>

 

冬襤褸(ふゆらんる) 乱流(らんる)の淵にひそみ寝る紙の襁褓(むつき)の襞(ひだ)白じろく

 

ラッキョウに芯あることを信じいるようにむき剝き続ける 九条

 

「妖艶(ようえん)」が差別語となる国の園孔雀(くじゃく)は去れり羽を広げて

 

濡れ光り伸び深く触れ消えてゆく夏の舌にてふれるすべてが

 

貼らぬまま乾いてゆきし二円切手ウサギは暗く僕を視つめて