
定価:2,970円(税込)
判型:四六判上製カバー装
頁数:320頁
ISBN978-4-86629-355-4
稀有なる白秋論!
言葉を縦横無地に駆使し、言葉の内なる広大無辺の大地を歩み続けた。詩歌、童謡まで幅広く親しまれているこの詩人を著者は精緻に追い続ける。詩歌の変革、時代との向き合い方など、丹念に資料を読み解きながら、昭和の時代に向かって、白秋像を深く明快に展開した白眉の論考集。
<本文より>
鴎外・敏という孤高の精神を持つ文学者、「真の享楽者」の系譜を継いだ白秋が門弟を育て、詩業の集大成を歌人としてなし遂げた原動力には、昭和という時代への危機感があったのではないか。時代の要請に応えつつ普遍的な美を希求した白秋の選択である。