小社では、1985年(昭60)の創立以来、約一千点以上におよぶ歌集・歌書を刊行してまいりました。印税制による企画出版物も含まれていますが、おおかたは、著者負担による出版物です。
少ない方で150部という方もいましたが、特に部数に制約はありません。
500部の方も2000部の方もおります。
本は、装幀・ページ数・部数・写真の挿入等によって値段が変化しますので、特に金額の表示はしておりません。あくまで相談の上で応じていくつもりです。
出版された歌集歌書は、小社の月刊短歌誌「短歌往来」になるべく書評、もしくは紹介の形で宣伝しています。いつでも、気軽に電話やこのホームページを利用してご連絡ください。
ながらみ書房
〒101-0061 東京都千代田区神田三崎町3-2-13 秋和ビル406
TEL 03-3234-2926
FAX 03-3234-3227
『赤光』Shakkō Red Light
かがまりて見つつかなしもしみじみと水湧き居れば砂うごくかな
crouching
I observe the sand moving
as the water
springs up―
feeling its sadness deeply
kagamarite
mitsutsu kanashi mo
shimijimi to
mizu waki ore ba
suna ugoku kana
死にしづむ火山のうへにわが母の乳汁の色のみづ見ゆるかな
in a volcano,
quiet as death,
I can see the water―
its color,
my mother’s breast
shi ni shizumu
kazan no ue ni
waga haha no
chishiru no iro no
mizu miyuru kana
四六判並製カバー装 2000円•税別
title "Prism of Mokichi"
written by Mokichi Saito
translated by Kitamura FusaKo & Yuki Aya & Reiko Nakagawa & William Elliott
Mokichi Saito is the most famous tanka poet in Japan.
He was born at 100 years ago, and he made the foundation of Japanese modern tanka poetry.
We have translated into English his first poem book.
2160yen
ベツレヘムに導かれても東方で妻らは餓える天動説者
Staring at the star of Bethlehem, she's a starving stargazer!
共生のための矯正の、嬌声のクレゾールに包まれている
The more I dose the dog with a drug, the less my drive to dive is ... Really?
音と音、意味と意味、イメージとイメージの響き合いを味わえばそれでよいのではないか。そう考えたら、たちまち楽しくなってきた。 栗木京子帯文より
四六判変形箱入り 2000円•税別
title Starving Stargazer
written by Yusuke Nakajima
2160yen
血だるまとなりて縋りつく看護婦を曳きずり走る暗き廊下を
along the dark corridor
I run dragging a nurse
who clings to me-
her blood
all over
炎見る友に眼鏡をかしをりて闇ぼうぼうと燃え明かるのみ
lending my glasses
to my friend watching
the flames
I just see the darkness
lit up by burning fires
はじめに竹山広氏に快く原爆短歌の英訳を許可していただいたことを心より感謝します。三千首ほどもある氏の短歌のなかから、もっとも生々しい原爆体験の歌が含まれている第一歌集『とこしへの川』から百首をすべて抽出することになるまで、長い時間がかかりました。結城文
四六版並製 定価2000円•税別
Title Tokosie-no-kawa (Everlasting River)
written by Hiroshi Takeyama
translated by Aya Yuki
Hiroshi Takeyama is the famous tanka poemer in Japan.
He was bombed the atomic bomb in Hiroshima.
And he made Tanka-poem of bomb experience.
We have translated into English his first poem book.
鬼女なれど笑顔颯爽酒場に立つ口から棘が出ませんように
あす生きるために今夜も酒飲むの言ってくれるねおんな三十
初めてのブルーチーズは青臭きはたちの春のGIN六オンス
だぶだぶの赤いセーターふわふわと手弱女いっぴき泳いで候
BAR10十月がここにある。
新宿ゴールデン街のママが詠う、31文字の止まり木。
四六版並製カバー装1500円•税込
桜みち薄紅色の風吹けば道ゆき人もなべて匂へり
雪降れば松を尋ねむ 白妙に身をけすらひて吾を待つらむ
月明し 淡雪かかる白梅に 銀の屏風となりて野は映ゆ
炎天に焼かるるものを プラタナス 木陰をくるる君がやさしさ
青葉なる桜の下にやすらへば 汗もさまりぬ いざ歩み出てむ
紅葉葉を敷き詰むる道の色深き 時雨ふりけむ夕べの園は
歌作りを純粋に楽しむ。『古今集』の世界に遊び、
古歌の宇宙に紛れ込みながら、
やわらかで、匂いたつ美を求めてやまない。
繊細な抒情が奏でる歌世界のはじまりだ。
四六判並製 1500円•税込
春庭は白や黄の花のまつさかりわが家はもはやうしろに見えぬ
窓のそとに木や空や屋根のほんとうにあることがふと恐ろしくなる
嬰児のわれは追ひつかぬ狼におひかけられる夢ばかり見き
すばらしい詩をつくらうと窓あけてシャツも下着もいま脱ぎすてる
「『植物祭』と並び称された幻の歌集『シネマ』である。
前衛短歌の先駆けとして注目される新芸術派短歌。新芸術派短歌は石川信雄が牽引した。『シネマ』の大胆、自在、劇的、スリリングなイメージの展開、文語と口語が衝突して火花を散らす一首一首の情景は、新芸術派短歌運動の現場の熱気を伝えて、現在もなお新鮮である。
佐佐木幸綱 帯文より
四六版並製 1500円•税込
吾は知る強き百千の恋ゆえに百千の敵は嬉しきものと
踏絵もてためさるる日の来しごとも歌反古いだき立てる火の前
天地の一大事なりわが胸の秘密の扉誰か開きね
誰か似る鳴けようたへとあやさるる緋房の籠の美しき鳥
ともすれば死ぬことなどを言ひ給ふ恋もつ人のねたましきかな
年経ては吾も名もなき墓とならむ筑紫のはての松の木のかげに
『踏絵』は柳原白蓮が最初に出した歌集で、若き白蓮の告白的短歌の結晶といわれ、大正4年3月に竹柏会より出版されました。
「白蓮は藤原の女なり。」で始まる序章は佐佐木信綱、装丁は竹下夢二によるものです。
このたび初版本を復刻いたしました。
四六判上製カバー装 1800円•税別